デザイン初心者あるある「完成したけど、何かが足りない…」「あと一押し欲しい…」を解決するひとつの方法として、「筆文字はいかが?」というお話をしていこうと思います。
この記事の最後に、デジタル化した筆文字の作品紹介をしていますのでこちらもチェックしてみてください♪
筆文字×デザインを考えたキッカケ
少し私の話をします。デザインのお仕事を約15年しています。今でこそ大好きな作業ですが、デザインの仕事を始めたころは、0→1の制作が本当に苦手でした。なので20代前半はフォーマットを利用してのデザイン制作(1→10、あらかたレイアウトされているものに肉付けする作業)をしていました。肉付けをする中で「あと少し、何かが足りない…」とつまづいたとき、当時の上司から「自分で筆文字を書いてデータ化して、デザインのアクセントにしてみては?」とアドバイスをもらいました。
実は私、中学二年生の時に日本習字の中学師範を取得し、高校生で書道部に入部後「九州大会」で第三席を取った過去をもつ書道大好き人間なのです。↓こんなの書いてました。
上司がそのアドバイスをくれたとき、「そろそろ筆と墨と触れ合いたいな~」なんて思っていて、それを知ってか知らずか背中を押してくれたことで今こうして記事にできています。(10年以上前の話ですが…時の流れ早!)
デジタル化がすすみ、とても便利な時代になりましたが、手書きの筆文字というのはその人にしか出せない味があります。見慣れたフォントを、筆文字に変えればあら不思議。「何かが足りない」気がしていたデザインが「オリジナリティある」デザインへと簡単に生まれ変わります。
いくら説明されても見てみなきゃわからないと思うので、実際にどう仕上がるのか、見ていきましょう♪
「筆文字×デジタルデザインデータ」作品例
葬儀社の祭壇カタログの表紙です。お葬式関係は、筆文字との相性が良いので特に重宝されました。それ以外の業種でも、意外と筆文字と相性の良いところは多いように思います。
筆文字をそのまま利用するのも素敵ですが、左のカタログのように文字自体に加工をほどこすのも素敵です。あえて背景を無彩色寄りにすることで、文字を引き立たせて表紙の主役になるようなみせかたをしています。
これを見たあなたは少し「筆文字でデザインしてみたい」と心が揺れ動き始めてきたことでしょう。ご依頼、ご相談はどんなことでもお気軽に◎
筆文字の活用
今や素材だけではなく、チラシやDMのフォーマットでさえ無料で配布されています。検索さえすれば素敵なデザインを手に入れることができ、文字や写真を変えるだけで自分のお店などの販促ツールが出来てしまします。
ではデザイナーの仕事は減っていく一方なのでしょうか…? いいえ、その一歩先を考えるのがデザイナーの仕事です。そのままでも十分素敵なフリーダウンロードできるデザイン。人気のデザインは、使っている人が多いので「どこかで見たことがあるような…」と感じることもあります。そんな時、メインの文字をオリジナルの筆文字に変えるだけで、同じデザインを使っていても「工夫されているデザインだ」と思わせることができるのです。
その違いも説明するより見ていただいた方が分かりやすいので、画像を2つ用意しました。
1.暑中お見舞い
『暑中お見舞い申し上げます』部分のみを筆文字に変更しました。
線の強弱や各文字のサイズ、あいさつ文全体のバランス、線の太さなどひとつひとつこだわって書いています。フォントでシンプルに仕上げるよりも、気持ちが伝わりそうな感じがしますね。
2.おせち
『おせち』の文字のみを筆文字に変更しました。
フォントを筆文字にすることで、おせちの手作り感やあたたかみが伝わってきます。また、文字にフチをつけることで文字を引き立たせています。チラシにお正月感と和を感じさせ、勢いが生まれました。
筆文字活用のまとめ
まったく同じデザイン&色でも一部分が変わるだけで印象が変わることが分かります。元々まとまっていて良い作品でも、タイトルやアイキャッチをアクセントとして筆文字にすることで、より良い仕上げにすることができます。
デザインって面白いですね。人に「気持ち」があり、時代が変わり続ける限り、デザインも終わりがなく進化し続けるのではないかと個人的に思います。それを感じながら、流れに乗って作品作りをしていくのは楽しくて仕方がありません♪
デジタルデータ化した筆文字の紹介
ここまでに、筆文字を実際に使用した作品を紹介してきました。ここからは、実際にクライアントへ納品した筆文字データを紹介します。一つの文字でも、デザインの雰囲気に合わせた文字づくりをすることで、アクセントとして存在感を出しつつ統一感を出すことができます。
ゲシュタルト崩壊に注意!!
カタログ、メニュー表、ポスターなどに使用していただきました。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。コメント欄に残していただくのも、大変うれしく思います♪
まとめ
少し宣伝ちっくな記事になりましたが、『書道』と『グラフィックデザイン』を愛するおさとちゃが、その相乗効果を知ってほしくて書かせていただきました。あなたの書いた文字を反映させるのもとっても素敵だと思います♪
「何か足りない、でも何を変えたら解決するのかわからない…」デザインを簡単に『スパイスのきいたオリジナリティ感じる作品』にする『筆文字』の提案でした。参考になれば嬉しく思います。