子育てについての情報って、多すぎて何が正しくて何が正しくないのかわからなくなることって、よくありませんか? 何を信じてどう子育てしていくかはそれぞれの価値観や生活環境、教育方針によると思います。それでも「子どもにとって良い環境」「子どもが苦労しないように」という親心はみなさん同じなのではないでしょうか。それを作るのは「子ども自身の土台」も必要になるのではないかと思います。その土台を『遊び』から学ぶことができれば、無理なことを嫌がりながらさせる必要もないですよね。
今回の内容は「子どもと遊び 遊びを通して生きる力の基礎をはぐくむ~」という内容で行われたセミナーを元に記事を作成しています。西南女子学院大学短期大学部保育科の先生が壇上に立ってくれました。
- 乳幼児にとっての「遊び」の大切さ
- 発達に応じた遊び方
今となっては「あれは危なかった」「よく考えればいい思い出だったな」など、大人の目を盗んでこっそりやっていたことについて思い当たることはありませんか?それらすべてはその年齢の時期に体験したからこそ意味のある貴重な体験です。もし大人になった今、それをしたとして、同じように感じることができるでしょうか。今の子どもたちは、そういう体験をあまりできなくなっていると言われています。安全であることは良いことですが、良いことばかりでしょうか。一緒に考えながら、その体験を今の子供たちにもさせてあげられたらと思います。
『遊び』が教えてくれるヒトとしての土台
遊びは単なる娯楽ではなく、子どもの発達にとって欠かせないものです。遊びを通してこどもたちはたくさんのことを学び、心も体も健全に成長します。
1.からだの発達
- 運動能力の向上 全身運動(粗大運動)をすることで体の土台を作りしっかりとした体幹を作ります。
手遊びもたくさんありますが、単なる『お楽しみ』だと侮ることなかれ。あれは手や指先をリズムに合わせて動かすことで、タイミングよく動作をおこなうことを学んでいます。
2.脳の発達
- 問題解決能力: パズルやブロック遊びなどは、論理的思考や問題解決能力を養います。
- 創造性の向上: 絵を描いたり、物語を作ったり。こどもの想像力や創造性を刺激します。
- 好奇心の喚起: 新しいことを発見し、試す過程で好奇心が育まれ「もっと知りたい」が増えることで学習意欲が向上します。
- 集中力の養成: 自分の興味を持つ遊びに集中することで、集中力が高まります。
子どもが集中して何かをしているときは、他にやってほしいことがあってもそっとしておくことにしているよ
3.社会性やコミュニケーション能力の発達
- 協調性と共感: みんなでする遊びやゲームを通じて、協力することや自分と他人の気持ちへの理解が深まります。
声を掛け合うことで、言葉への理解も深まり、言葉でコミュニケーションをとっていくことで社会性を身につけていきます。
4.感情的発達
- ストレス解消: 遊ぶことで子どもは自然とストレス解消をおこなっています。自由に遊ぶことは日々の小さな不安やストレスを解消してくれます。
- 自己表現: 遊びを通じて、自分の感情や考えを表現する機会が増えるので、相手への伝え方や自分のことを話すことが上手になります。
発達に応じた遊び
0~1歳児
視線を合わせながら『もの』と『ことば』をつないでふれあい遊び
現代の赤ちゃんは、視線が合わない子が増えているそうです。それは、親が赤ちゃんのことをきちんと見ずにスマホを見ながらの『ながら』子育てをしている方が増えているからです。ママパパが視線を合わせようとしなければ、赤ちゃんにとって人の顔は「重要ではない」と認識し、目を合わせなくなるそうです。
私の子は落ち着きがなさ過ぎて大丈夫なの…?と悩んでいた時、「この子は私ともよく目が合うから正常よ、大丈夫」と施設の方に言われて安心したことがあります。 不安なことはひとりで悩まず、公共施設でも通っている保育園でも何でも相談しよう♪
- あたま かた ひざ ぽん …身体の部位を同時に覚えることができる
- いっぽんばし …つねる、たたくとはどういうことか学習できる
- たかいたかい
2~3歳児
『自分でできる』を大切にしながらルールを知る
悪魔の二歳児ともいわれるイヤイヤ期真っ只中。大人からすると「面倒だな」「いいから早くやってくれたらいいのに」と思うことも多く、私もいつも思っています。
ですが子どもからすれば、自分ができる範囲を見極めたり「こうしたらどんな反応するだろう」と大人を試したり自分の世界を広げようと必死です。こんな時期も長い目で見ればほんのわずか。大人は時間がある限りは「面白いな~」と思って接してみてください。きっといままでのイライラとは違う子どもの姿が見えてきます。
時間に余裕があるときは、それができるんだけどなかなか難しいよね~。時間の余裕は自分で作るもの!と思って頑張って捻出してるよ◎
- せっせっせ …相手との掛け合い、タイミングをみることを学習する
- 絵合わせ …すべてオモテ面で。1回揃ったら次の人へのルール
- 折り紙 …折ると別の形、別のものができると分かると楽しい
- 積み木、ブロック …積み木は積上る、ブロックは固定できるという違いも楽しむ
- お手伝いごっこ、ままごと …それぞれには役割があるということを知る
※2歳、3歳は完璧主義な時期でもあり、自分が思っていたことを中断されたり「できない」と判断したら怒り出したりと忙しいので、様子を見ながら声掛けやサポートをしてあげてください。
うちの子も集中するときはしてるけど、よく「できない!」と怒り出して投げ出そうとしてるよ。そのたびに「できてるやん~」「こうしたらどう?」など声をかけているとニコニコちゃんに戻ってくれるよ♪
4~5歳児
『一緒に遊ぶと楽しい』『協力すると楽しい』の体験
この時期に、成功体験8:失敗体験2をさせてあげると良いとされています。成功体験だけが注目されがちですが、子どもにとって失敗体験もとても大切。わざと失敗させることはNGですが、危険や致命的なことにならないことであれば、そっと見守ってあげてください。何か失敗をしたら、立ち直り方を教えて「修正体験」をさせてあげてください。
失敗→修正→成功は、より達成感が芽生えて自己肯定感もあがりそうだね♪
一緒に遊んで楽しい、大人も一緒に楽しめるという点で、KAPLA(カプラ)ブロックがおすすめです。私も今回のセミナーでカプラを知りましたが、HPを見ているだけでワクワクします。
- 屋内:積み木、ブロック、おままごと
- 野外:鬼ごっこ、かくれんぼ
※野外遊びの鬼ごっこやかくれんぼは「追いかけてくれなかったら」「見つけてもらえなかったら」などの不安が伴うため信頼関係がなければできない勇気のいる遊びです。身体だけではなく、メンタルも鍛えることができる最強の遊びのようです♪
遊びを通してヒトとしての土台を作るステップ
子どもは、お手本を真似しながら経験を積みます。生活の中に『遊び』があるととらえることで、様々な経験をすることができます。親も同じ認識をすれば子どもと同じ目線で遊びを楽しむことができるようになり、親自身も発見や経験を積むことができます。
子どもから教えてもらうことの多いこと! 「遊び」に関しては子どものほうが天才かも~
- 日常の中に『遊び』を取り入れる
- 『遊び』のルールや約束の存在とルールを知らせる
- 意図的に成功体験や挫折体験、乗越える(修正)体験をさせる
「ごめんなさい」「ありがとう」は学んでいく中で大切な言葉ですが、無理強いするのはNG。子どもが「言わされた」「言っておけば終わる」と思わないように、説得し子ども自身が「言う」と納得&判断してからにしましょう!!
親子で『遊び』を楽しもう
まずは、自分自身が子どもとのやり取りを楽しみましょう。そうすることで、子どもも興味を持ちやすく、より発達を促すことができます。
- 相互性を大切に(どちらかが一方的に行うよりも、お互い同じレベルでやることが大切です。)
- 『仲間作り』も意識しておこなう
- 子どもの気持ちや『甘え』を受け止めながら信頼関係を構築し自己肯定感をはぐくむ
感情のコントロールは大人でも難しいよね…。私もニガテ…。子どもがそこで苦労しないようにしっかりと受け止められる母になれるように頑張る!
まとめ
『遊び』がヒトの土台をつくる理由と、発達に応じた遊び方についての話をしました。とはいえ、『将来のためにやるぞ!』みたいな気持ちだと、子どももそれを察して『遊び』なのに楽しめなくなってしまうかもしれませんね。
そうならないために、大人も子どもも同じ「ヒト」として対等にかかわり、一緒に楽しみながら成長出来たらいいですね。「育児は育自」という言葉があるように、子育てを通してたくさんのことを学び、成長できるのは子どもだけではないようです。