chapter1

3話 義母からの電話

これは0歳児を抱えてシングルマザーとなった私が、息子と2人で成長してきた物語。この物語が、同じように悩んでいるあなたの心を少しでも休ませるものとなりますように。連載の第3話♪

はじめから読むのがオススメ☆
1話 2話

【前回までのあらすじ】

思っていた未来とは違う形で、私の子育て生活がスタートした。
出産直後に「別れたい」と言われた私は、首も座らない赤ちゃんを連れて2日連続長距離移動をすることに。

実家に戻った私は、両親と息子を囲んで「かわいいね」とささやかな初節句を終えた。
少しだけ心の緊張がほどけ、「この子を守って育てていこう」と少しだけ前を向く気持ちが芽生えたが…。

一方的な言葉の嵐

実家に戻った翌日、義母から電話がかかってきた。

表示された名前を見た瞬間、出たくなかった。

でも、無視したところでいつかは話さないといけないと思い、通話ボタンを押した。

その瞬間、義母の一方的な言葉が飛び込んできた。

私が何か言葉を発する隙もなく、彼女は怒りをぶつけ続けてきた。

私はそのほとんどを聞き流したため、あまり内容を覚えていない。あまりその言葉たちを受け止めたくなかったからだと思う。

夫が私を“実家に送り返した”ことを正当化したかったのではないかと今となっては思う。

やっと口を開けたタイミング

電話をとって約30分後、ようやく義母の言葉が途切れた。

私が口を開くタイミングがきて、言葉を選びながら義母に伝えた。

おさとちゃ

初めての子育てだし、まだ首も座らない0歳児だから不安が大きいです…。できることなら、夫婦で協力して育てたいと思っていました。子どもにとっても、父親の存在は大事だと思ってます…。

自分でも驚くほど、冷静に話すことができたと思う。

でも、返ってきた義母の言葉に、私はさらに絶句することになる。

義母からのズレた“励まし”と“アドバイス”

私の言葉を受けて、義母はこう言った。

義母

あなたの両親はもう引退して年金暮らしだし、時間あるんだから預けやすいし、孫なんだから可愛がってくれるでしょ。それに、あなたは強いからひとりで立派に育てられるわよ。

突っ込みどころがありすぎて言葉を失った。

おさとちゃ

……………

そして、さらに信じられない言葉が続いた。

義母

あなた、妊娠してから息子と“そういうこと”してないんでしょ?あの子も男なんだからそれが辛かったって言ってた。それに妊活もしてたんでしょ? “この日”って言われると、男は萎えるのよ。

もはや何の電話なのだろう。

自分の頭の整理が追い付かず空白だけが残り、よくわからない涙だけがずっと流れ続けた。

夫の反応に さらにドン引き

電話を切ったあと、夫に「お義母さんから電話があった」とLINEを送った。

元夫

え?そっちから連絡したんじゃないの?

……どっちでもいいがな…と思いながら、義母に言われた内容を伝えると、

元夫

あー、それは母が悪い。俺はそんなこと自分から言ってない。聞かれたから答えた。

と答えた。……聞かれたら答えた????

母親に?何度聞いても私には何も言ってくれなかったのに…???

あれ?私がおかしいの…????

──根本的に私とは違いすぎる。

その瞬間、また少し「息子をひとりで育てていく」という現実に立ち向かう一歩を踏み出した。

義父の言葉

後日、義父にもこの件を電話で伝えると

義父

それは違うね。ごめんね。わたしが息子とちゃんと話すから。

と、そのやりとりに少し引き気味に答えた。

その言葉に、ようやく話ができる人が現れたとホッとしたことを覚えている。

それなのに──

義父さえも “無責任で残酷な人” だということをこの後思い知らされることとなる。

今だから言えること

当時も約4年たった今でも、出産直後にどうしてこんな仕打ちを受けなければならなかったのか正直わからないままでいる。

でも、こうして振り返って思うことは

よくここまで 生きてこれたな、ということ。

そして不思議なことに、この経験があったからこそ、私と息子の絆はより深く、確かなものになったように思う。

この経験がなければ、私はきっと今ほど息子の気持ちに寄り添うことはできなかったかもしれない。夫婦喧嘩が多くなり、息子に嫌な姿を見せ続けてしまっていたかもしれない。

そう考えると、不思議と感謝の気持ちさえ芽生える日がある。だからと言ってこの出来事を許せるかというとそれはまた別の話だけれど。

今、何かに苦しんでいる方がいつか「そんなこともあったね」と笑って話せる日が来ますように。

その願いを込めて、私はここに自分の記録を残し続ける。

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